もののけ姫のキャッチコピーは「生きろ。」
命がひとつのテーマになっており、作品を通じて色々と深いメッセージを感じます。
今回はそんな「もののけ姫」の名セリフをまとめてみました。もののけ姫が見ている人に何を伝えたいのか?見えてくるかもしれません。
汚らわしい人間どもめ。我が苦しみと憎しみを知るがいい・・・
たたら場に暮らすエボシ達から毒つぶての銃弾を受け、その憎しみからタタリ神となったイノシシが最後の死に際に放つ言葉です。
村を守るためにとどめを刺したアシタカは、死の呪いを受け、その憎しみを背負うことになります。
誰にも運命は変えられない。だが、ただ待つか自らおもむくかは決められる。
アシタカが呪いを受け、解決策を見出すべく旅へ出ようとする前に村の長「ヒイ様」から受ける言葉。単に「諦めるな」という言葉よりもはるかに響きます。
曇りなき眼で見定め、決める
人を襲うタタリ神の原因になっていたのは、動物達を追い払い、自分達の国を作ろうとするエボシ達でした。その中でも強い原因となっていたのが毒ツブテを放つ火銃です。
エボシはアシタカに「その銃の秘密を知って何とする?」と問いますが、アシタカはこの言葉を返します。怒りや憎しみで動くのではなく、なぜそんなものを作っているのか?本当に人々に必要なものなのか?見定めるという意味合いを受けます。
人はいずれ死ぬ。 遅いか早いかだけだ。肝心なことは死に食われぬことだ。
帝(みかど:天皇)からの命令でシシ神ごろしを任命された唐傘連(からかされん)のリーダー:ジコ坊。旅の道中でアシタカが出会い、一緒に食事をしますが、彼が”師匠からの受け売り”として大事にしているのがこの言葉です。
「死に食われぬこと」。この言葉は色んな受け取り方ができますが、彼が死をつかさどる「シシ神」ごろしを先導していたことから、「死からは逃れることが大切」という思想を持っていたと思われます。
しかし、死を恐れず・全ての動物と人間は共存していくことが大切と考えているアシタカにそれを阻止されます。
そして作中の最後には「いやあ、まいった、まいった。バカには勝てん」と言うことから、ジコ坊自身の心境の変化もうかがえます。
生きろ、そなたは美しい
たたら場に単身で乗り込むサンを、銃弾を受けながら村の外まで逃すアシタカが瀕死の状態でサンへ伝える言葉です。
勘違いしそうですが、これはサンの見た目を褒めているわけではなく、「自然や動物と共に暮らす、その姿がとても美しい。だからこそ、命を無駄にせず生きてほしい」と願いを込めた言葉と感じます。
そんなに力むと続かないよ、旅人さん
製鉄所で「踏みふいご」というシステムを使い、火を絶やさぬように夜通しで空気を送る女性達。その仕事を少し体験してみようと奮闘するアシタカにトキがかける言葉です。
全ての仕事に通ずるような気がします。
あの子を解き放て!あの子は人間だぞ!「黙れ小僧!」
人間と動物の争いからサンを解き放つよう、モロに訴えかけるアシタカを一蹴するモロのセリフです。
アシタカ「あの子を解き放て!あの子は人間だぞ!」
モロ「黙れ小僧!お前にあの娘の不幸が癒せるのか?森を侵した人間が、我が牙を逃れるために投げてよこした赤子がサンだ!人間にもなれず、山犬にもなりきれぬ、哀れで醜い、かわいい我が娘だ!お前にサンを救えるか!?」
アシタカ「分からぬ・・・。 だが共に生きることはできる!」
17歳のアシタカに対し、モロの年齢は300歳。何も知らない小僧に何ができると現実をぶつけるモロと理想論を語るアシタカのぶつかり合う姿は、とても印象深いです。
生きてりゃ何とかなる!
取られた頭を取り戻すために、世界を襲うデイダラボッチ。死の呪いを帯びたドロドロに触れると死んでしまうため、やむなく「たたら場」を捨てることを決意した村人たちは「もう終わりだ…」絶望します。
その時にトキが全力で叫んだ言葉がこちら。生きてりゃ何とかなる、生きている限り何度でもやり直せるという勇気をもらえます。
シシ神は死にはしないよ。命そのものだから。
シシ神さまは死んでしまったから、この森は終わり。そう嘆くサンへ、アシタカがかける言葉です。
「シシ神は死にはしないよ。命そのものだから。生と死と2つとも持っているもの。私に生きろと言ってくれた。」
言葉どおり、シシ神は「生と死をつかさどる命の神」として描かれていました。全員がその「生と死」から逃げる中で、アシタカとサンだけは、強く立ち向かい、そして最後にはアザが消えていました。
このことから、もののけ姫のキャッチコピーである「生きろ。」というメッセージは「死に恐れず、強く立ち向かえ」ということだと感じます。
アシタカは好きだ。でも、人間を許すことはできない
有名ですが、この言葉はアシタカのプロポーズに対するサンの答えです。
サン「アシタカは好きだ。でも、人間を許すことはできない。」
アシタカ「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。ともに生きよう。会いにいくよ。ヤックルに乗って」
獣に育てられたサンらしい真っ直ぐな言葉が印象に残ります。
出典:宮崎駿『もののけ姫-スタジオジブリ絵コンテ全集<11>』より
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