暗号資産(仮想通貨)はビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)などをはじめとして、今や世界中で取引されるデジタル資産です。まだまだ投機対象や資産保管の手段として認識されることが多く、実際にこれから価格上昇が予想される今買うべき仮想通貨も大きく注目されています。
しかし一方で、近年では「支払い手段」としての利用も徐々に広がっています。そこでここでは、暗号資産で実際に購入できる商品やサービスについて、日本と海外の違いも交えて詳しく解説していきます。
日本で暗号資産で購入できるもの
日本では金融庁による厳格な規制があり、暗号資産を支払い手段として利用する際には慎重さが求められます。それでも、以下のような分野では一定の利用が進んでいます。
飲食店・カフェでの支払い
一部の都市部(特に東京や大阪)では、ビットコイン決済に対応した飲食店やカフェが存在します。例えば秋葉原や渋谷などの一部店舗では、暗号資産ウォレットを使って直接支払うことが可能です。ただし現時点では対応している店舗は限られており、日常的な利用には至っていません。
オンラインショップ
ビットコインで支払えるオンラインショップも一部存在します。例えば暗号資産に特化したECサイトではTシャツやアクセサリー、電子機器などをビットコインで購入することができます。また、暗号資産を使ったギフトカード(AmazonやApple Storeなど)を購入するサービスもあり、間接的にさまざまな消費が可能です。
デジタルコンテンツ
NFT(非代替性トークン)アートやゲーム内アイテムの購入も、日本のユーザーにとって身近な利用法のひとつです。特にブロックチェーンゲームでは、ゲーム内通貨やアイテムをイーサリアムなどで購入・取引できる仕組みが広がっています。
その他のサービス
暗号資産を使った寄付活動も増加しています。日本赤十字社や一部NPO団体は暗号資産による寄付を受け付けており、社会貢献の手段としても注目されています。
海外で暗号資産で購入できるもの
海外、とくにアメリカやヨーロッパ諸国では、日本以上に暗号資産の利用が進んでいます。規制の枠組みが柔軟であることに加え、企業側の受け入れ体制も整っているため、より多様な商品・サービスが対象となっているのです。
家電・電子機器
アメリカではDellやNeweggといった大手の電子機器販売サイトがビットコイン決済に対応していて、スマートフォン、パソコン、パーツ類などが購入可能です。こうした企業は暗号資産による支払いを積極的に取り入れており、ユーザーにとっての利便性も高まっています。
旅行・航空券
ExpediaやTravalaといった旅行予約サイトでは、ホテル予約や航空券の購入が暗号資産で行えます。これにより、暗号資産のみを使って海外旅行を手配することも理論的には可能になっています。特にTravalaはビットコインだけでなくBNB(バイナンスコイン)やUSDT(テザー)など複数の通貨に対応している点が特徴です。
自動車・不動産
一部の高級車ディーラーや不動産業者も、暗号資産による支払いを受け付けています。例えばアメリカのテスラ社はかつてビットコインでの車両購入に対応していたほか、ヨーロッパやドバイではビットコインで不動産を購入できる事例も増えています。これにより資産の分散としての暗号資産が、実際の資産購入にも結びついてきています。
日用品・スーパー
ヨーロッパの一部都市やアフリカのナイジェリアなどでは、日用品の購入にも暗号資産が使えるスーパーが登場しています。地域によっては法定通貨が不安定なため、むしろビットコインやステーブルコインの方が信頼されているという逆転現象も起きています。
給与・報酬の受け取り
海外ではフリーランスやエンジニアが報酬を暗号資産で受け取るケースも珍しくありません。アメリカやエストニア、シンガポールなどでは、企業が給与の一部または全額を暗号資産で支給する制度を設けていることもあり、労働対価としての利用も進んでいます。
日本と海外の違い
日本では金融庁による規制があるため、暗号資産を「通貨」として用いる場合には事前に登録や監督が必要です。そのため、一般の店舗やサービス業が簡単に導入するのは難しいのが現状です。また、日本円が安定しているため、消費者にとっても法定通貨を手放す動機が薄いという事情もあります。
一方、海外ではビジネスの柔軟性が高く、個人の選択肢として暗号資産が法定通貨に近い感覚で扱われています。特に資産価値の保存手段として認識される国々では、実際の購買活動への導入が進んでいます。
まとめ
暗号資産はもはや「ただの投機的資産」ではなく、商品やサービスの支払い手段として実用化が進んでいます。日本ではまだ利用範囲が限定的ですが、規制や社会的理解が進めば今後さらに利用の幅が広がる可能性があります。海外の事例を参考にしつつ、日本でもより多様な決済方法が可能になる未来が期待されます。
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