2025年は年初にビットコインが史上最高値を更新、さらに3月には米国のトランプ大統領が戦略的ビットコイン備蓄を宣言するなど、暗号資産（仮想通貨）市場が大きな転換期を迎えています。
こうした中で、暗号資産に対する機関投資家や個人投資家の関心が再び高まり、デジタル通貨の取引を始めてみたいという人が瞬く間に増加しています。しかし、取引に挑戦する前に知っておくべきなのが、「どのような戦略をとるか」という視点です。
暗号資産は価格変動が大きいだけに、行き当たりばったりの売買では思わぬ損失につながるリスクがあります。また、暗号資産はそのカタチこそ異なるものの、従来の法定通貨と同様に自らの手でしっかりと保管する意識も欠かせません。そのため、たとえば安全なWeb3ウォレットを活用することで、取引所に置きっぱなしにしてハッキング被害に遭う、誤って送金してしまうといったトラブルを未然に防ぐようなことも、1つの戦略として必要とされるのです。
そこで本記事では、2025年の暗号資産市場を踏まえつつ、初心者でも実践できるトレーディング戦略を詳細に解説します。
デイトレード
デイトレードとは、1日のうちに売買を完結させる短期取引のスタイルのことを指します。主に日中の価格変動を利用して、利益を狙っていくアプローチです。
このアプローチを試みる場合は、チャートをこまめに確認し、テクニカル分析を駆使して数時間ごとの上昇や下落を捉える必要があります。そして、価格が一定の幅で上下している時間帯にエントリーし、小さな値幅でも確実に利益を得ることを目指します。
素早い判断力と集中力が求められる一方で、うまく運用すれば、1日を通して何度も利益を積み重ねることが可能です。ただし、頻繁な取引によって手数料がかさむことや、精神的な疲労が溜まりやすい点には注意が必要となります。
スイングトレード
スイングトレードは、数日から数週間程度ポジションを保有し、比較的大きな価格変動を狙う中期戦略です。
デイトレードとは異なり、短時間での売買ではなく、時間をかけて相場のトレンドを読みながら取引するのが特徴。日足や4時間足などの長めのチャートを分析し、上昇や下落の兆しを捉えて計画的にエントリーすることが求められます。また、毎日チャートを細かく監視する必要がないため、本業の合間や副業として取引をしたい人にも向いている戦略と言えます。
ただし、ポジションを数日以上持ち続けることで、週末の急変動や外部ニュースの影響を受けるリスクもあるため、常に市場の動向には注意しておく必要があるでしょう。
スキャルピング
スキャルピングは、数秒から数分単位で取引を行い、非常に短い時間で小さな値動きを利益に変えていく取引戦略です。一日に数十回以上のトレードを行うこともあり、高頻度な売買が前提となります。
経験を積んだトレーダーが、わずかな価格差に敏感に反応して迅速に売買を繰り返すことで、コツコツと利益を積み上げていくのが特徴。ただし、判断ミスや遅延があると一気に損失を抱えるリスクも高く、高速で安定したインターネット環境や反応速度の速い取引ツールが不可欠です。
HODL（長期保有）
暗号資産業界では、長期間にわたって保有し続ける戦略を意味する「HODL」という言葉が存在。ビットコインやイーサリアムなど将来性が期待される通貨を購入し、価格が一時的に下落しても売らずに持ち続けることで、数年後の価値上昇を見込むという考え方です。このため、HODLは日々の価格変動に一喜一憂せず、安定して資産を保有したい人に適していると言えるでしょう。
たとえば、暗号資産マイニング大手のマラソン・デジタル・ホールディングス社は、ビットコインの財務方針にHODLのアプローチを採用しています。ただし、長期的な保有には銘柄選びが非常に重要で、信頼できるプロジェクトかどうかを見極めるための情報収集と判断力も重要となります。
Web3ウォレットの活用
暗号資産取引においては、資産を安全に保管することも、資産を増やすための主要戦略の1つと言えます。その中でも注目すべきは、Web3ウォレットの活用です。Web3ウォレットとは、自分自身で秘密鍵を管理し、資産の保管や送受信を行う非中央集権型のウォレットです。
取引所に資産を預けたままにしておくと、ハッキングやサービス停止といったリスクにさらされますが、Web3ウォレットを利用すれば、資産の主導権を自分で握ることができます。特に、高品質なウォレットには二段階認証やバックアップ機能が搭載されており、セキュリティ面でも安心です。初心者であっても、こうしたツールを導入することで安全性を高め、安心して取引に取り組むことができるようになります。
まとめ
本記事で紹介してきたように、暗号資産トレーディングにはさまざまな戦略が存在します。一方で、大切なのは自分の目的やライフスタイルに合った方法を選ぶことです。焦らずに一歩ずつ学びながら、まずは小額での取引から始めてみるのが良いでしょう。そして、どの戦略でもリスク管理を徹底し、資産の安全性を保つためにWeb3ウォレットの活用を忘れないようにしましょう。
